OODAループとは
OODAループとは、観察(Observe)、情勢判断(Orient)、決定(Decide)、行動(Act)、から構成されるマネジメント・アプローチです。

PDCAとOODA
PDCAサイクルは多くの企業で活用されているのに対し、OODAループは一部の企業でしか採用されていません。PDCAサイクルは、不確実性があまりない定型業務では有効です。不確実性がないため、しっかりした計画を立てることができるからです。

しかし、不確実性の高い非定型業務、たとえば、開発、企画、営業、マネジメント業務では、計画通り物事が進むわけでは必ずしもありません。むしろ、不測の事態や予期せぬ出来事に翻弄されることが多いといえます。

このようななかでは、計画は暫定的なものであるにすぎません。ここでPDCAサイクルを無理に回そうとすると、そもそも計画を立てることが難しかったり、計画は一応あるものの、あまり遵守されていなかったり、逆に、実態を反映しない計画に拘束され、業務が停滞することにつながります。

OODAマネジメント
ここで必要なのはOODAループです。OODAループは、計画ではなく観察からスタートします。事実を観察し、それに素早く対応していくことを推奨します。PDCAと異なり、OODAループは、観察から行動までのループを何度も繰り返すことになります。言い換えると、試行錯誤を通じて学習し、事態に対処していくことがOODAループにほかなりません。

ただし、試行錯誤も、効率的なものと、行き当たりばったりなものに分かれます。OODAループという試行錯誤をいかにして効率的なものにするのか、個人レベルの試行錯誤だけでなく、チームレベルでこれを効率よく実施していくことが求められます。これがOODAマネジメントの課題となります。

定型業務はPDCAサイクルで管理しつつ、非定型業務はOODAループで対応していくことでイノベーションの確率を高め、定型業務で深化、非定型業務で探索を両立させることにつながります。つまり、PDCAサイクルとOODAループの棲み分けは、両利き経営へのアプローチにもなるのです。是非とも、このOODAループのマネジメントを多くの企業で導入していただきたいと希望しています。

参考資料